2013年12月31日火曜日

Saint-Sylvestre -大晦日によせて-

先日参加した、とあるセミナーでのこと。講師に、「この部屋の中で赤いものを探してください」と言われ、私は必死で赤いものを探しました。「では、目を閉じてください」と講師。「この部屋にあった黄色いものを思い出してください」。

ええっ、赤って言ったじゃん!と動揺しながら思い出そうとするものの、私はまったく思い出せませんでした。目を開けて、部屋を見渡すと至る所に黄色があふれていたのは言うまでもありません。

人は意識をしていないと、見るべきものを見落としてしまう、ということを身をもって経験した出来事でした。

人生すべてに於いて同じことが言えます。ここは西洋絵画のブログですから、もっとミクロな視点で言うと、絵画についても同じです。たかが絵、されど絵。描かれた絵にまつわるエピソードや画家の人生を知って見るのと知らないで漠然と見るのでは、見え方が全く違うのです。

桜も咲きはじめようという今年3月、まさかのインフルエンザになり、療養中に暇を持て余して始めたのがこのブログでした。

当初は、ごく身近な人に自分の意外性を知らしめ驚かせてやろう、フフフ…というかなり邪な気持ちで始めたのですが、意外なことに多くの方々に読んでいただく結果となり、驚きと感謝でいっぱいです。

途中から加わったブログランキングでは、あれよあれよと言う間にトップテン入りし、ついに今月24日(クリスマスイヴ!)には何とランキング1位に。

人生とは本当に何が起こるかわからない、素敵なものです。

実は、忙しさのあまり掲載できずにお蔵入りした展覧会もかなりあります。それだけがちょっぴり心残りなのですが。

新しく来る年も、みなさんにとっても、私にとっても、色んなことが起こるでしょう。日々訪れる選択肢が、チャンスなのかトラップなのか、一見分かりにくいのが人生。チャンスの姿をしたトラップだったり、嵌められた!と思って抜け出す努力するうちに、いつの間にか前よりずっと素晴らしいものを手にしていたり。

心の目を研ぎ澄まし、しっかりアンテナを張って、見るべきものを見落とさないようにしたいものです。

ブログを読んで下さった皆様、まさに見えないところで支えてくださって本当にありがとうございました。

新しい年も、皆様にとって素晴らしい奇跡(=「天使の翼」)が舞い降りることを心からお祈りしております。


ラファエロ・サンティ『システィーナの聖母』(部分)(1513年〜1514年)
(アルテ・マイスター絵画館/ドレスデン)


よいお年を〜!



↓ ↓ ご愛読ありがとうございました。引き続き、来年もよろしくお願いいたします!


人気ブログランキングへ

0 件のコメント:

コメントを投稿