特に私の場合、美術関係の本は新たな知識を求めて洋書を探すことが多く、うっかり間違えると「ぜんっぜん読めない…」という情けない結果になることも。
というわけで、夜な夜な訪れたのは代官山の蔦屋書店。
ここは美術関係の洋書で時々掘り出し物があるので、ふらりとよく訪れます。
今宵もまた面白い本をゲットしました♪
STEPHANE GUEGAN著『INGRES −Erotic drawings−』
新古典主義の巨匠、アングルの本です。そのタイトルが示すように、官能美を強調した素描を集めたものです。ガチガチのデッサン重視のパリ国立高等美術学校の校長を務めたドミニク・アングルの、エロティックな素描とは、どんなものでしょうか。
みなさんおなじみの?この絵。『グランド・オダリスク』の素描も載っています。
ドミニク・アングル『グランド・オダリスク』の素描。(ルーヴル美術館/パリ)
ドミニク・アングル『グランド・オダリスク』のリトグラフ。(1825年/個人蔵)
油彩画とは逆の向きで興味深い作品です。
3月20付記事『ルーヴルの美女』でもご紹介しましたが、女性の曲線美を強調するため意図的に手や腰を引き延ばして描かれたこの作品は、発表当初「この女性は立ち上がって歩くことは出来ないだろう」などと、酷評されました。しかし見る者の視線はまず彼女の背中を捉え、自然となだらかな曲線に沿って導かれていきます。それがまさにアングルの目論みなのです。
ここで面白い作品をご紹介。こんなセリフが聞こえてきませんか。
「ちょっと!何すんのよ!」
ドミニク・アングル『Three Women in the Bath, after an engraving by Hans Sebald Beham』
(アングル美術館/モントーパン)
タイトルを見ると、3人の女性の入浴中のシーンのようです。2人しかいないのでは?と思いきや、うっすらと背後にもう一人…
この作品は、16世紀のこちらの銅版画の模写とのこと。
Hans Sebald Beham『Three Women in the Bath 』(フランス国立図書館/パリ)
なかなか面白い本を見つけましたよ。
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